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PROJECT STORY / 02

中川橋 橋梁改築工事プロジェクト

入庁後初の現場!
市民の期待を背負い、挑んだ橋梁工事

中川運河に架かるひときわ目を引く朱色のアーチ橋。この中川橋が完成したのは1930年。名古屋市内でも数少ない形式の橋梁で、土木学会の歴史的鋼橋にも選定された、価値のある建造物だ。2011年、80年の時を経て改築工事のプロジェクトがスタートした。長年市民に愛されてきた、いわば地元のランドマーク的な存在である中川橋を再利用し、他の部分を新しくするという名古屋市では初めての工事。このプロジェクトに関わった2人の技術者に、その工程を振り返ってもらった。

職員紹介

MEMBER

  • 中川橋 橋梁改築工事プロジェクト
    阪野崇人
    2011年入庁
    緑政土木局 道路建設部道路建設課 橋梁整備係
  • 中川橋 橋梁改築工事プロジェクト
    濵口陽一
    2018年入庁
    緑政土木局 道路建設部道路建設課 橋梁整備係
中川橋 橋梁改築工事プロジェクト

全工程のマネジメント
まずは言葉の壁が!?

 橋の架け替え。通常は老朽化した橋をすべて取り壊し、新たに架け直せばいい。しかし今回のプロジェクトでは、既存のアーチ橋を再利用するため、まず移動させてから橋の基礎となる橋台を造り変え、最後にアーチ橋を元に戻すという、多くの工程が必要となる。メイン担当となった2人にとっても当然初めての仕事だ。

阪野「現場自体は2011年に動き出しましたが、私がこの現場を担当したのは2014年からです。入庁して初めての現場で、現場監督として工事業者と協議、立会、確認をすることが主な役割でした。ちょうど橋台部分の施工時期で、工事の積算から発注、工事監督を担当しました。とにかく何もかもが初めての事業でしたから、各関係機関への手続きや申請などにも手間取りました」。

阪野は大学では構造系の研究室に所属し、前職の橋梁メーカーで、10年間技術を磨いてきた。そして2011年、このプロジェクトの開始同年に、橋そのものを作る側から、さらに幅を広げて、橋を使ったインフラ整備に関わりたいと名古屋市に入庁した。橋だけでなく、新しい仕事にもチャレンジしてみたいという思いもあったと語る。
中川橋 橋梁改築工事プロジェクト
阪野「いきなりの現場で、とにかく専門用語がまったくわからなかったんです。同じ橋でも、橋台はまったく違うんです。当たり前のように飛び交う単語がわからず、先輩や業者の担当者に手当たり次第聞きまくりました。今振り返っても、用語がわからなかった時が一番辛かったですね」。

「次なる壁は、橋台を作る時に、まず杭を打ち込むのですが、地中に障害物があって、予定していた工法では入らなかったんです。別の工法で進めることができましたが、やってみなければわからないということも現場ならでは。別工法を検討するために、当然時間が余分にかかりますので、工期の遅れをとり戻すためのマネジメント力が問われます。メーカーでは経験することがなかった、全工程の管理は、想像以上に大変な業務だと実感しましたね」。
中川橋 橋梁改築工事プロジェクト

危険と不安がつきまとった
真夜中の切替作業

 一方の濵口は、入庁2年目。2019年4月にこの部署に異動してきたばかりだ。前職は建設コンサルタント会社に勤務しており、図面を引く業務がメインで、現場経験はほぼない。もっと技術者としての経験値を高め、現場を知ることを含め、幅広い事業に携わりたいと入庁を決めた。そして最初の現場がこのプロジェクトとなった。

濵口「私が異動してきた時には、すでに橋本体も完成しており、仮設の橋から本線への交通切替を任されました。ここは幹線道路で、交通量が非常に多いところです。通行止めにすることはできない中、横断歩道などの書き換え、信号の付け替えなど、多くの作業を迅速に進めなければなりません。その作業に費やせる時間はわずか8時間!一晩ですべての作業を終えなければなりませんでした」。
中川橋 橋梁改築工事プロジェクト
 2019年7月23日。比較的交通量の少ない夜中に切替作業が行われた。スタッフは総勢30人ほど。夜は視界が悪くなるため、何より事故が一番不安だったが、予定通り切替作業が終わった時の安堵感は言葉にならないほどだった。

濵口「右も左もわからないまま現場に来て、そこから先輩職員をはじめ、現場の人たちにもいろいろ助けてもらいながら、必死にやってきました。そもそも現場を経験したくて入庁したわけですから」。

阪野「実は、この切替の時、私はこの現場を離れて別の現場を担当していました。交通量が多い中での切替作業は、このプロジェクトの山場でもありました。それを入庁2年目でよくやり遂げたと思います。この経験は必ず今後につながるでしょう」。

隣で少し恥ずかしそうに微笑む濱口。

濵口「自分の経験値を上げるための最高の現場です。ここを乗り越えたら成長できると思い、がむしゃらに頑張りました」。
中川橋 橋梁改築工事プロジェクト

市民の声が心の支えに
市役所の仕事のやりがいを実感

 2019年9月現在、仮橋の撤去作業と護岸工事を行っており、2020年度末には完了する予定である。完成時には片側2車線の道路に歩道もできる。

阪野「今、こうしてきれいに塗り替えられた橋を見ると、達成感を感じますね。仮橋の設置から始まり、仮橋への交通の切替、橋の移動、橋台の構築、そして橋を戻し、さらに拡幅に伴う新たな橋桁の架設、本線の開通と、プロジェクト全体を通して管理する仕事に携われたのは市役所ならではです。少しずつ形になっていく工程をすべて自分の目で確かめられるんですから、やりがいは大きいですよ」。

 それ以上に嬉しかったこともあったとか。

阪野「歴史のある橋ですから、工事中に市民の方たちに向けて現場見学会を開催しました。その時に市民の方からの『頑張ってください!』の言葉に、とても励まされました。市役所の仕事って、市民の方とこんなに距離が近いんだと、あらためて実感しました」。

中川橋について地元の人から、多くの思い出話しを聞いたという濵口。

濵口「昔の写真も見せてもらいました。橋のある風景がこの先も語り継がれていくんだと思うと、本当にやりがいのある仕事だなと思いましたね」。







中川橋 橋梁改築工事プロジェクト
 濵口は、この現場をやり終えたら、今度は立ち上げから橋の工事に携わりたいと語る。

濵口「大きなものを造ることに、やはり大きな魅力を感じます。そんな仕事にこれからも携わっていけたら嬉しいですね」。

一方の阪野は、橋梁の経験が生かせる今回のプロジェクトに関われたことは本当に幸運だったと語る。

阪野「もちろん、もう一度橋梁の現場もいいですけど、道路などまた違う環境でもチャレンジしてみたいですね」。

二人の挑戦はまだ始まったばかりだ。