文字サイズ
標準
拡大

MENU
  1. HOME
  2. プロジェクトストーリー
  3. NAGOYA BOOST 10000プロジェクト

PROJECT STORY / 01

NAGOYA BOOST 10000プロジェクト

未来を切り拓くイノベーターを
ここ名古屋から輩出する!
“攻め”のプロジェクトが始動!

名古屋からのイノベーション創出を目的に、2017年度にビジネス創出イベント「NAGOYA HACKATHON ※1(ナゴヤハッカソン)」を開催。翌年には若手人材育成プログラム「AI・IoT人材BOOSTプログラム」も立ち上げ、企業とのマッチングを目的としたピッチイベント「NAGOYA BOOST DAY(ナゴヤブーストデイ)」を主催。順調に参加者も増えていく中で、これらのイベントを総括して「NAGOYA BOOST 10000(ナゴヤブーストテンサウザンド)」と題し、世界の未来を切り拓くイノベーターを名古屋から10000人輩出することを目指して動き始めた。
この「NAGOYA BOOST 10000」の事業を立ち上げ、中心となってプロジェクトを推進する若手2人に、この事業に賭ける思いを聞いた。

※1 ハッカソン…ソフトウェアのエンジニアリングを指すハックと、マラソンを組み合わせた造語。プログラマーやデザイナーから成る複数のチームが、マラソンのように数時間から数日間の与えられた時間を使ってプログラミングを行い、成果を競い合う、アメリカで生まれた開発イベントのこと。

職員紹介

MEMBER

  • 島田俊英
    島田俊英
    2010年入庁
    市民経済局産業部 次世代産業振興課 次世代産業振興係
  • 稲垣尚起
    稲垣尚起
    2011年入庁
    市民経済局産業部 産業労働課 産業デザイン振興担当
NAGOYA BOOST 10000プロジェクト

名古屋の発展のために
やるべきことを見定める

 名古屋市はものづくりが盛んな町である一方、新しいことが生まれにくい町でもある。世界から見ると、名古屋市にはICT企業が圧倒的に少ない。今後の名古屋市の産業振興を考えると、ICT企業を誘致し、ものづくりと掛け合わせれば、新たな産業が生まれるのではないか。こうしたことがきっかけで2年前に「ナゴヤハッカソン」が行われた。その立ち上げの中心となったのが稲垣だ。

稲垣「もともと名古屋市への企業誘致の部署にいました。その時にいろいろな企業を回る中で、今後の名古屋市の産業を強くすることを目的に企業誘致するなら、名古屋市が弱い分野の企業が必要だと考えていました。それがICT企業です。なぜ名古屋にICT企業が集積しないのか。そもそも製造業の町なのでICTという発想が少なかったんです。当然ICTのエンジニアもICTを活用できる人材も少ないです。何よりICT企業が好むクリエイティブな雰囲気が街自体に少ないんです。まずはこうした気運を変えたいと、ハッカソンをやろうと思ったのです。東京では頻繁に行われているハッカソンですが、名古屋でやるからには、より起業や新規事業に結びつく形にしたい。優秀なチームを市がサポートをすることで、ビジネスに向けて、試作品を作ることにしたのです。それが「ナゴヤハッカソン」です」。
NAGOYA BOOST 10000プロジェクト
 一年目は気運醸成に成功したが、まだまだ新しいものを生み出していこうと挑戦する人が少ない。土地柄からか、スタートアップしようという人や、組織の中にいながら起業しようという人が少ない。一方世界を見ると、スタートアップと組みたいと思っている大企業が多い。結局、スタートアップを作らなければ、企業誘致ができないと考え、自社製品を投資家に売り込み、資金調達するイベント「ピッチイベント」に出られるような人材の育成から始めようと考えた。これが2018年に始まった「AI・IoT人材BOOSTプログラム」だ。

稲垣「大企業の人も中小企業の人も、起業したい人も、新規事業を起こしてください。イノベーションを起こしてください。そういうチャンスがありますよというプログラムにしたいと思って作りました」。
こうしてナゴヤハッカソンとAI・IoT人材BOOSTプログラムで育成した人材と、投資家との出会いの場となる「ナゴヤブーストデイ」を設け、ビジネスへと繋いでいく施策を実行する。
NAGOYA BOOST 10000プロジェクト

立ち上げの苦労を経て、
事業の認知度も向上

 稲垣が立ち上げた「NAGOYA BOOST 10000」のように、新しいビジネスを担う人材を育てて実際のビジネスに繋げようと取り組んでいる自治体は、他には見当たらない。前例がないだけに、苦労も多かった。

稲垣「まずハッカソンというものを理解してもらうことから始まり、最終的には税金を使ってなぜこの事業をやるのかまで、しっかりと落とし込み、説明しなければならないのが大変でした。何度も何度も企画書を書き直し、市長にも確認してもらい、最終的には議会に承認してもらい、予算取りをしました。ただ、役所内では全体的に応援モードだったと思います。きっとみんなが課題だと思っていたことだったからでしょうね」。
NAGOYA BOOST 10000プロジェクト
第一回「NAGOYA BOOST 10000」が終了し、2019年4月に中区役所の総務課から異動してきたのが島田だ。

島田「いきなりブースト担当と言われて、ハッカソンって何?というところからのスタートでした。正直、まったく何をやるのかイメージがつかなかったんです。ただ、この事業は協力企業の方と一緒に進めていくものなので、企業回りをする中でものすごい熱量を感じ、おもしろそうだと思えるようになってきました。名古屋の産業を少しでも盛り上げることに力添えできればと」。

現在、稲垣の後任としてブースト事業のメイン担当者として走り回っている島田。いかにイベントやプログラムを円滑に進め、参加者のために盛り上げていくか、そのための準備や調整の苦労が続いた。イベントを盛り上げるために市長に参加してもらう。そういった段取りも思っていた以上に大変だった。それでも確実に認知度は上がっていった。

島田「この秋にもAI・IoT人材BOOSTプログラムがスタートするのですが、定員25人のところに申し込みが68人!全員と面接をして参加者を決めます。また、2018年との違いとして、参加者の裾野を広げています。イベントの前に、プレイベントとして基礎的な勉強会も開催しています。AIやIoTの事前学習会です。こちらも定員20人に50人ほどの申し込みがあり、確実にブランド化されていると実感しています」。
NAGOYA BOOST 10000プロジェクト

とんがった人と一緒に
開拓していきたい

 この事業が立ち上がって3年。実際、3つの事業がビジネスとして動き出しているという。今後は裾野を広げるという意味で、小中高生へのアプローチも考えている。子どもたちの親とも共有することで、この地域のマインドセットにも繋げていくつもりだ。さらに、名古屋は海外を見ているという意識が持てるような事業も展開していきたいと。たとえば海外からスタートアップ企業を誘致したり、トレーナーを招くなど。日本三大都市のひとつである名古屋は、対東京ではなく、世界を見据えての産業振興を意識していきたいと考えている。







NAGOYA BOOST 10000プロジェクト
稲垣「名古屋は世界に誇る製造業の街です。製造業の人たちがより進化した新しい価値を生み出すことができれば、それをモデルケースとして世界に発信できると思います。新しい価値を生むものづくりができる。それが名古屋だと思います」。

島田「そうなんです。名古屋市はやはり大きな街ですから、その分やったことに対する波及効果がすごく大きいんですよね。東京の真似じゃなくて、名古屋オリジナルのことをやる意義も可能性もたくさんあると思いますね」。

稲垣「こうしてお話すると、一般的に思われている公務員の仕事と随分イメージが違うでしょうね。産業振興はある意味とんがらないとやっている意味がない。いわば攻める部署なんです。税金を使って、いろいろな意見に耳を傾けながらも、攻めていける。このワクワク感を持ちながら、世の中の課題にダイレクトにアプローチするという仕事ですから、やりがいも大きいです。その分責任も大きいですけど」。

島田「確かに、常に緊張感はありますが、市役所は市民との距離が一番近いんです。市民の声を直に聞いて、市民に寄り添いながら仕事ができる。おもしろいと思いますね」。
NAGOYA BOOST 10000プロジェクト
稲垣「おそらく、いずれ事務的な仕事の多くはICTやAIに置き換わっていくと思います。これから重要になるのは企画職。これは役所も同じです。人間じゃないとできないものしか残らないでしょう。こんなことがやってみたい!世の中をもっとよくしたい!という思いを持った人が、チャレンジできるステージとして、市役所は魅力的だと思います」。

島田「やってみたい!と手を挙げることも、提案することも自由ですしね。承認されれば、大きな事業を動かすこともできる。そういうおもしろさはめちゃくちゃありますね」。

稲垣「だからこそ、これからは、言われたことだけをやりたいという人には辛いかもしれません。アグレッシブすぎる!?ぐらいがちょうどいい…ちょっと言いすぎかな?(笑)」。